肥満と糖尿病の関連性について
肥満と糖尿病の関連性について
「最近、お腹が出てきたけれど、元気だから大丈夫」
「少し太ったのは、美味しいものを食べている証拠かな」
そんな風に、増えてしまった体重を少し楽観的に捉えてはいませんか?実は、医学の世界では「肥満は糖尿病への最短距離」と言われるほど、両者には切っても切れない深い関係があります。
春日井市の加藤クリニックでは、単に「痩せなさい」と指示するのではなく、なぜ肥満が糖尿病を招くのか、その仕組みを正しくお伝えし、患者さまと一緒に無理のない改善策を考えていきます。この記事では、肥満が体に与える影響と、最新の治療法について詳しく解説します。
そもそも、どこからが医学的な「肥満」なのでしょうか。まずは、ご自身の現在の状態を客観的に把握することから始めましょう。
肥満の判定には、世界共通の指標であるBMI(Body Mass Index)を使用します。
BMI = 体重(kg)/身長(m)^2
例:身長170cm(1.7m)、体重80kgの方の場合
80÷ (1.7×1.7) = 27.68
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BMI数値 |
判定 |
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18.5未満 |
低体重(痩せ) |
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18.5〜25.0未満 |
普通体重 |
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25.0〜30.0未満 |
肥満(1度) |
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30.0〜35.0未満 |
肥満(2度) |
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35.0〜40.0未満 |
肥満(3度):高度肥満 |
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40.0以上 |
肥満(4度):高度肥満 |
日本肥満学会の基準では、BMIが25以上で「肥満」と判定されます。さらに、肥満によって健康障害(糖尿病や高血圧など)が起きている、あるいは起きる可能性が高い状態を「肥満症」と呼び、医学的な治療の対象となります。
肥満、特に「内臓脂肪型肥満」が糖尿病を招くメカニズムは、主に2つの段階に分けられます。
私たちの体の中では、膵臓から出る「インスリン」というホルモンが、血液中の糖分(血糖)を細胞に取り込ませる「鍵」の役割を果たしています。
しかし、お腹まわりに内臓脂肪が溜まると、脂肪細胞から「悪玉アディポカイン」という物質が放出されます。これがインスリンという鍵の通りを悪くしてしまい、細胞が糖をうまく取り込めなくなります。これを「インスリン抵抗性」と呼びます。
インスリンの効きが悪くなると、体は「もっとインスリンを出して血糖値を下げなきゃ!」と頑張り、通常よりも多くのインスリンを分泌します。
しばらくはこれで持ち堪えられますが、肥満の状態が何年も続くと、膵臓はオーバーワークで疲れ果て、やがてインスリンを出す力が弱まってしまいます。その結果、血糖値がコントロールできなくなり、糖尿病を発症するのです。
脂肪のつき方によって、糖尿病のリスクは大きく異なります。
内臓脂肪は、食べ過ぎるとすぐに溜まりますが、運動や食事制限で減りやすいという特徴があります(出し入れしやすい普通預金)。一方、皮下脂肪は一度つくと落としにくいのが特徴です(解約しにくい定期預金)。
つまり、糖尿病リスクの高い内臓脂肪は、正しい対策を行えば比較的早く改善できるという希望もあります。
肥満は糖尿病だけでなく、全身のあらゆる場所に悪影響を及ぼします。これらは「死の四重奏」や「メタボリックシンドローム」と呼ばれ、最終的には心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気につながります。
当院では、根性論や過度な制限ではなく、医学的な根拠に基づいた「続けられる治療」を提供しています。
急激な食事制限はリバウンドの元です。まずは、無意識に摂っている「加糖飲料(ジュース・エナジードリンク)」を水やお茶に変える、あるいは「なんとなく食べている間食」を半分にすることから始めましょう。
いきなりジムに通う必要はありません。1日10分のウォーキングや、エレベーターではなく階段を使うといった、日常生活の延長線上にある運動から提案します。
近年、糖尿病治療薬の中で、血糖値を下げるだけでなく「自然に食欲を抑える」「尿から糖を出す」といった体重減少効果が期待できる薬が登場し、大きな注目を集めています。
以前は、一度糖尿病になったら一生付き合っていくしかないと考えられてきました。しかし最近の研究では、発症から間もない肥満を伴う2型糖尿病患者さまが大幅な減量(目安として15kg以上)に成功すると、薬を使わなくても血糖値が正常範囲に保たれる「寛解」という状態に至ることが分かってきました。
「もう手遅れだ」と諦める必要はありません。今、このタイミングで体重と向き合うことが、あなたの将来を劇的に変える可能性があるのです。
肥満も糖尿病も、初期のうちは「痛み」がありません。だからこそ、放置してしまいがちです。しかし、数値が悪化してから後悔する患者さまを、私たちはこれまで数多く見てきました。
加藤クリニックは、春日井市のかかりつけ医として、皆さまの「健康の伴走者」でありたいと考えています。
どんな些細なきっかけでも構いません。まずは一度、お話を聞かせてください。最新の知見と温かなサポートで、あなたの健康維持を全力でバックアップいたします。